天体観測で体験する占星術 – 金星の章 –

天体観測で体験する占星術 – 金星の章 –

イナンナとイシュタル

金星の司神をシュメル語でイナンナ、アッカド語でイシュタルといいます。
イシュタルは日本のゲームやアニメにも登場する美しい女神ですが、実はふたつの異なる顔がありました。
美と愛を司る美しい芸術神としての顔、もうひとつは戦争を司る闘神の顔です。
前者をウルクのイシュタル、後者をアッカドのイシュタルと言います。

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ウルクもアッカドもメソポタミアに作られた都市の名前で、イシュタルはそれぞれの都市で祭られていたのです。

さて、なぜそんな話をするかというと、金星の見え方に大きく二つの違いがあり
この違いと金星神の名前が密接に関係しているからです。
金星の見え方の違いは12サインを基にする占星術よりも遙か昔、少なくとも紀元前1600年頃にメソポタミアで生まれた方法です。
ただし古典占星術(伝統占星術)では僅かに残されるのみ。

本講座ではふたつの金星の見分け方と、占星術的解釈、そしてその理由を天体観測の視点を交えてお話します。

横浜の空と宵の明星(2020-4-28)

イシュタルとペンタグラム

本講座の二つ目のテーマは金星と8年周期です。
「8ー16ー24ー32−40ー48ー56ー64…」で繰り返す周期と出生図の金星を探ります。

ペンタグラム(五芒星)はメソポタミア文明において金星を表すシンボルのひとつでした。
なぜ金星のシンボルとなったのでしょう。
当時の天体観測記録がそれを明らかにしています。
メソポタミアの天文神官達は、金星が8年周期で描く五芒星を理解していたのです。

人生で起きる事柄はもしかすると出生図の金星と関係があるかも知れません。
astro-seek.comの新機能を使いながら、どの様にサイクルを扱うかを解説します。

こんな方に向けた講座です

・占星術と天体観測や実際の星空との関係に興味がある
・占星術のルールの理由や起源に興味がある
・占星術の知識を深めてステップアップしたい

※受講に際して古典占星術の知識は必要ありません。

さいごにもうひとつ

来たる2023年7月7日、金星は最大光度を迎えます。
その時、金星は湖面や水面に容易に映り、真っ暗な場所ではその光で影ができるほどの強さになります。
講座の最後に、真昼の星見体験の方法をお伝えします。
これを体験すると少しばかり星の見方が変わることをお約束します。

真昼の金星(2021-11-14)

Venus Pentagram メソッド

本講座はルーメン・コレブ(Rumen Kolev)先生から教わった「Venus Pentagram」メソッドを基にしています。ルーメン先生はブルガリアの占星術師、古代占星術の研究者Placidusの開発者です。
https://www.babylonianastrology.com/