「壊滅的」の判断基準・景気動向指数の読み方と占断での使い方

Composit Index

Note: This article is only for Japanese readers.

2020-01-18 [SAT]

本稿は「2019年秋分図記事:Libra Ingress Chart, JAPAN 2019年秋分図」の関連記事です。1月12日に執筆した「経済動向への判定」にて「日本経済は破滅的」と判じた論拠とデータについて述べます。

「壊滅的」の判断基準はなにか?

執筆者がマンデン占星術で国内経済状況を判定する時に用いるのは、内閣府で発表される「景気動向指数」です。
毎月、CI(総合的な指数)とDI(局面的な指数)が同時に発表されます。

「景気動向指数」を占星術でたとえると、10惑星の状態を総合した点数です。産業、金融、雇用など29の指標をもとに算出されます。指数にはCIとDIの二種類があります。ふたつを占星術でたとえると、CIはアスペクト量の時間変化、DIは3ヶ月前と比較して増えた調和アスペクトの割合です。調和アスペクトがハードアスペクトよりも多ければ吉意が高くなる様に、DIが上がれば「景気は上向き」という判定になります。ですから、3ヶ月前よりも改善した数が多ければDIは上方向に向かっていきます。

占断で用いる時、CIを「時間的な流れと変化」として使い、DIは「上昇下降」判定で用います。2019年秋分図を占断する際には、CIがどの様に動くかを予測しました。DIは常に3ヶ月前との比較ですから、連続的な予測の際にあまり役には立ちません。そのかわり占断後に「上がった・下がった」の明確な結果が分かります。そのためホラリー占星術で景気浮揚を占う場合はDIを指標にしています。

本稿上部のグラフは「CI」、下図が「DI」です。CIは時間と共に変わるグラフ、DIはシンプルに「上がれば良い・下がれば悪い」と読んでください。

DI
景気動向指数 DI指数の変遷 期間1990-2019 データ出典:内閣府 https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html

さて、今回の状況を「壊滅的」と判定した理由は、10月の消費税増税後にDIが二ヶ月連続で「0」を指した結果を基にしています。実は過去30年、二ヶ月連続「0」を記録したのは下記3回のみです。

  1. 「2008年 リーマンショック」
  2. 「1997年 橋本内閣デフレ(消費税3%から5%引き上げ)」
  3. 「1991年 バブル崩壊」

「0」とは「使っている全ての経済指標が下落した」という意味です。テストで言えば全教科が以前の結果から下がり、占星術で喩えれば全アスペクト「ソフトからハードに変わった(厳しくなった)」ということですね。
つまり、昨年の消費税10%引き上げに伴い、極めて深刻な「景気後退」を引き起こしているのです。

秋分図を占断した際に、ここまでの悪化を読み切れませんでしたし、悪くてもDIは20%程度で下げ止まると判じました。911ショック/ITバブル崩壊・世界同時不況(2001年)、東日本大震災(2011年)でさえ2ヶ月連続「0」は記録していません。景気指標には色々な要素がありますから、1ヶ月マイナスでも、翌月にはどこかしらが改善するため「2月連続」は相当まずい状況ということです。
以上が「破滅的」と判ずる論拠としたデータです。

マンデン・経済指標に使える景気動向指数

さて、景気指標の客観的データとして、これほど明快な指標は今のところ他にありません。ところが、「景気動向指数」はニュースの単語として出てくることはありますが、時系列にまとめたグラフとしては、一般には殆ど知られていません。

国内でも海外でも、マンデン占星術の景気指標に使われる標準値は「株価」です。理由はアクセスが簡単で、よく知られているからですね。しかし、株価はもはや景気動向を表す指標として使えないと考えています。その理由は「株取引」を行う機関投資家・個人投資家に意味はあっても、一般家庭の「家計」とは無縁となっているためです。ここ20年で、企業利益を株主に還元する社会に変わり、企業が利益を上げても給与(家計)には還元されなくなりました。ですから企業税制、関連法律が変わらないかぎり、株価が上昇しても「株を持たない一般家庭の家計」が豊かになることは二度とありません。株価は株主にとって意味のある数字ですが、一般家庭の消費活動とは殆ど関係が無くなったのです。ただし、株価の急激な下落の時だけは関係があります。大量の失業者を生み出すからです。

そのため、マンデン占星術で経済動向を読む時は「景気動向指数」を使用しています。動向の探索と、結果の判定に際して、より実態経済に沿っているためです。占断の判定基準として用いる場合に限り、CI/DI指数の意味について豊富な経済知識は必要ありません。占断に必要なことは、実際の経済の動向とその結果です。指標は「結果」を示すデータですから、占断の答え合わせに使えるというわけです。占断時の現状評価と予測については、景気動向指数から得られる情報は多くありません。日頃の情報収集が必須となります。

首相/日銀発表と景気動向指数のちがい

景気動向指数は政府の命令に従って行政府が作成した公式データです。
ところが、この結果を前にして日銀は「景気は緩やかに回復」安倍首相は「戦後最長の景気拡大」と発表しました。

日銀長崎支店 長崎県内景気「緩やかな回復続けている」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200116-00000001-ktn-l42

安倍首相「戦後最長の景気拡大」
https://news.livedoor.com/article/detail/17661842/

データが読めないのでしょうか?そんなことはありませんよね。
データには「景気後退」と明確に書いてあるのに?
これは陰謀云々ではなく、わたしたち一般人が単に「バカにされている」というだけではないでしょうか。こうした発表を読んだ時、小さい頃に祖母から聞いた「大本営発表」の話を思い出しました。
大敗を喫しているのに「日本軍すげーぞ!まじ強い、めっちゃ勝ってるし、米軍弱すぎwww」と発表し続けた話です。

「みんな騙されちゃったの?」
そう祖母に聞きました。
「そんなわけあるかい。そういう人もいてはったけどな…」
「なんでなん?ばあちゃん」
「みんな、本当は気づいてたんよ、でも、そんなこと言えんでな」
「なんで?」
そう聞くと祖母は暫く黙っていました。
「そら、ぼんがもっともっと大きうなったらわかることやさかい、いまはええ」
「そうなん?」
「そうや」
その時の祖母は少しだけ怖く見えました。

恐らく、起きていることは当時とそれほど変わらないのだと思います。

なお、景気動向指数(CI/DI指数)は毎月PDF、エクセルで下記内閣府ウェブサイトにて配付されています。本サイトで使用しているグラフも、同サイトからダウンロードしたエクセルデータ(https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/0110ci.xlsx)から作成しています。

統計表一覧:景気動向指数 結果
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html
先行指数、一致指数、遅行指数の三つがあります。本稿で採用しているのはCI/DIともに一致指数です。

 

今後も壊滅的なのか?政策と日本人の気質が変える未来

2020-01-19 [SUN]

本稿前半は「現状の景気動向が壊滅的」という論旨です。でも将来においては全く異なる話です。
ここから先はマンデン占星術の話ではありません。

結論から言えば将来にそれほど悲観はしていません。厳しい状況は続くかもしれませんが、中長期的にみれば日本は再び活性化すると思っています。理由は二つあります。
ひとつは、現状の政策、もうひとつは日本人の気質です。

1)政策「給与が下がる!」

現在の長期デフレ不況と希望の無さは、バブル崩壊から20年以上続けた「大失敗政策」が主な原因です。詳しくは機会を譲りますが、現在の不況は政策変更で好転が可能だと考えています。

たとえば現政権はデフレ脱却を掲げて始まりましたが、実情はそれとは正反対の政策を続けています。そもそも、インフレ率2%を達成するまで(デフレ脱却するまで)消費税は上げないと公約をしました。ところが、二度も消費税を上げて一般家庭の消費活動を抑え込んでしまいました。

実は「戦後最大の景気拡大」は完全なウソではありません。企業業績は伸び続けているからです。大企業ほど税制が優遇され、株主に還元されるお金が増えました。企業活動が優遇される社会にはなったのです。現政権は「世界でもっとも企業活動がしやすい国にする」と最初に宣言をしましたから、これはきっちり約束を守ったのです。

ところが、その反対側で何が起きたかといえば、企業の利益が給与に反映されない社会に変わりました。これは当然のことです。企業支出のうち、人件費が占める割合が最も大きいからですね。利益を上げるには人件費(給与)を削るのが最も手っ取り早い方法であることは言うまでもありません。

企業優遇、給与低下は消費が冷え込んでいる主な理由です。そのうえ、さらに消費税を上げましたから「給与が上がらず、一律10%物価が上がる」スタグフレーションという状態に陥っています。国の景気で最もインパクトが大きいのは「一般家庭の支出・個人支出」なのですが、これがどんどん減っている。そして、個人消費に完全依存する業種(たとえば飲食業、出版業、小売業)の売上が落ち続けているわけです。

つまり、政権が「企業優遇を制限し、一般家庭の消費が向上する」政策に変えれば、不況の原因のひとつは取り除くことができるのです。

2)日本人の資質「日本人総体のサインが発揮される時」

ベテルギウスが超新星爆発するのは10万年以内と言われています。星を相手にする占星術師としては少し長い目で見てみましょう。
政策は長くて10年単位のタイムスパン。バブル景気は昔の話ですが、それでもせいぜい30年前です。その前の高度成長期(1960年〜70年代)はどうでしょう。「バブルなんて別に大したことなかった」もう日本全体が狂った様に好景気に沸いた時期だった、と当時現役の諸先輩方は言います。

歴史を溯った時に、日本の社会がダメダメの連続で、ろくなことがなにひとつなく、尊敬できる歴史上の人物が一人もいないのであれば希望を持つのはとても難しい。そしてダメな状態で、ダメなことばかり見ていると「これからもきっとダメだ」と思い始める。これは個人でも集団でも変わりがありません。

でも幸運なことに、わたしたちは過去の日本に飛び抜けて優秀な人たちを大勢見つけることができます。そして、困難や変化に対応し、臨機応変に変容した日本社会の歴史を知っています。そうした視点で眺めた時に、現在の日本社会の状態は、長い歴史過程の一点に過ぎないことを見るのです。そして、その視点で眺めると、飛び抜けて優れている点も見つけることができます。

日本社会が特異だと感じる点は、和の精神、神仏混合の宗教観、あるいは世界でも希にみるキレイ好きなところ、仕事でズルをしない、など沢山ありますが、いま筆頭にあげたいのは「飛び抜けた好奇心の強さと溶解力、そして職人的気質」です。日本の社会がこれまでの歴史で、新しい文化や文明に出会った時に見せる態度は一貫しています。新しいものをズバ抜けて高い好奇心で迎え入れると、それをすぐに内部で溶解・融和させ、さも昔からそうであったかの様に振る舞える能力。そして、取り込んだものに、さらなる磨きをかける職人的気質。

これらを占星術にあてはめて考えれば、その性質はどの星座に近いでしょうか。好奇心の強さは双子座です。高い溶解力、これは魚座の資質です。職人的気質は火のサインで表されることが多いですね。ひとりで黙々と磨きをかける作業に秀でた負けず嫌い。牡羊座がその性質に合っているのではないでしょうか。アセンダント、太陽、月の配分については本稿主旨と異なりますから置いておきます。でも、闘争を好まない和の精神は魚座そのものです。しかし実際のところ、日本はかなり競争性の高い社会です。また、ひとつひとつの物事への拘りが強い。個人々が持っている境界は明確なのです。だから仲間と認めなければ排除するし、グループ外の人たちに対しては日本人同士でもわりと冷淡でクールですよね。個人と同じく、社会もひとつのサインで表せるほどシンプルではありません。

さて、人は自分の資質がすべて円満に働いている時は活力が生まれます。元気が無い時は、おおよそどれかが機能していない時です。ですから、日本の社会も「好奇心・溶解力・職人気質」が円満に回転していなくてはいけません。今はそれが機能していないと考えてみれば、元気が無い理由が少し分かってきます。さて、どれが欠けているのでしょう。

日本で、今いちばん欠けているのは「好奇心」だとわたしは思います。心が動かされないことばかりが溢れて、飽き飽きとしている。そんな状態ではないでしょうか。はっきり言ってぜんぜん面白くない。さしたる目標もなければ、これをやるぞ!という気概もなく、とりあえず現状維持で、そんなに悪くならなければいいんじゃない?…みたいな。それでも、ケンカせずにやろうという魚座気質と、職人気質は残っているとしたならどうでしょう。それぞれが個別(牡羊座的)に自分のことをやって、物騒なことが起きないように気をつける。そんな状態ではないでしょうか。
持ち前の好奇心を向ける対象が無く、活力の元となる「精神的刺激」が消えてしまっているんです。

ですから、この三つの資質が揃ったとき、日本の社会は必ず「いっちょやってやるか」という気分になると確信しています。なにしろ、その気分になれば、魚座と牡羊座は強いのです。回りが止めても絶対にやめないでしょうから。