古典占星術の歩き方 2023

古典占星術と観測で読む出生図と予測占星術

2023-08-31 定員に達したため、お申込みを終了しました。
2023-08-30 お申込みを開始しました。
2023-08-23 大失敗と再出発〜1分で読める占星術体験記
2023-08-16 占星術電卓との再開は12年後

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古典占星術と観測で読む出生図と予測占星術、連続講座のご案内

占星術の醍醐味は「兆(きざし)」を読むことです。その方法や考え方を伝えるには単発講座では足りず、書籍だけでは伝わりにくいことも分かりました。そこで、6ヶ月間全7回の講座で基盤となる技術を学ぶコースのご案内です。

基盤を学んで応用する

講座の目的とゴール

本講座は古典占星術の基本技術を理解習得し、その技術を用いて出生図と予測チャートを読める様になることをゴールとしています。古典占星術のルールや技法を学びつつ、それを実践的に使い、技術の習得を加速することを目指します。
というのも、いくつもある決まりごとを学んでも、それを活かせずに困っているという方が一定数いることが分かったからです。

基盤はどんな分野でも大切です。
スポーツなら筋肉トレーニング、基礎体力づくり。絵画なら素描やデッサン。語学なら単語力や発音。
こうしたことがらは技芸の土台となります。でも肝心の使い方で迷うのであれば宝の持ち腐れになってしまいます。
ですから、ここで目指すのは基礎を習得しつつ、その都度リアルタイムで出生図や予測チャートに応用をすることです。

主題と応用

セッション(授業)毎に主題があります。それが「惑星」「ディグニティとサイン」「ハウス」「アスペクト」。使い方と考え方を再定義し、出生図と予測技法に応用します。

天球と惑星

本講座では観測技法のひとつとして、天文学的な天球の動きと惑星の視等級変化を学びます。
これらは占断においても頼もしい知識となります。本講座では実観測の代替として、天文シミュレーターStellariumの習得をします。
初めての方は少し怖いかもしれませんがご安心ください。計算は一切ありません。そして難しいことは全てStellariumがやってくれます。

吉星と凶星の読み方

著書「予測占星術」(太玄社)を副読本として使います。
本書では伝えきれなかった吉星と凶星の役割を掘り下げます。たとえば、アセンダントルーラーが火星の時、出生図で最も高い品位を得ている惑星が土星の時、やはり凶意の象徴なのでしょうか。実際のところ、吉星よりも凶星が機会や発展を表すことがあります。

幸運と不運

古典占星術のシンボリズムは両極性の捉え方で変わります。
上昇と下降、隆盛と減衰、強弱、増光と減光、東と西、光と闇、昼と夜。これらを吉凶で判断する視点と、第二の視点で読む方法(著書では「見張り台」と表現しました)について掘り下げます。先ず、吉凶占いでチャートを判定する方法を踏まえ、そこからさらに奧へと進みます。単なる吉凶、良い悪いを越えて象徴を読み取ることがゴールです。

長期連続講義の理由

授業は2〜4週間の間隔で行います。後半は1ヶ月にいちどです。短期講座では、質問しにくいことが山積みになるといった欠点がありました。「よくわからないけど、まあいいか」を無くすこと、モヤモヤをゼロにすることを目標とします。

「基本的な質問」ほど大歓迎です。
というのも、たいていはそうした質問は本質的で、講師にとっても刺激的だからです。受講者さんが「初歩的な質問なのですが…」と前置きする時、たいてい講師自身が考えさせられることが多いです。それは単なる技術論的な質問ではなく、占星術の前提に関わることだからです。

たとえば、これまでの講座でいただいた質問です
「なぜ獅子座のルーラーが太陽で、蟹座は月なの?」
「ディグニティ表はどれを使えばいいの?」
「アングルが強いと言われている根拠はなに?」
「土星と火星が凶星となった理由はありますか?」
(興味のある方は本講座でご質問ください)

個人セッション

全7クラスが終了した後に個人セッション(授業)を行います。
たとえば
・講座中で解決できなかったこと
・習った内容を自身のチャートに適用できない
・釈然としていない講義内容
など「スッキリしない」を一掃し、その後の方向性を明瞭にすることが目的です。

グループセッション

連続講座の後半で、オンラインのグループセッションを行います。
気づいたこと、それまでの疑問など、講師を含めた全員が疑問や発見をシェアする場所です。

微妙なことはメール&クラスルームで

講座期間中、不明点の確認や質問に制限はありません。
ちょっとしたことでも個別メールとGoogleクラスルームで解消しましょう。

構成・日時・定員・費用

「古典占星術の歩き方」で学ぶこと

・基盤となる考え方、ルール
・ルールの使い方
・出生図と予測技法
 ・プロフェクション
 ・ソーラーリターン
 ・プライマリー・ディレクション
 ・セカンダリー・プログレッション
・対人、仕事、富、障害、外敵の読み方
・天球運動と惑星の視等級変化(Stellarium実習)
・Windows版モリナス(Morinus)の解説

進行予定表

その他のトピック

統計的な理解 2010〜2017年に行った調査から得た占星術の統計的な理解を共有します。たとえば、満月に出産は増えるのか、どの惑星が気分を左右しやすいのかなど、占星術をデータで見る視点を獲得することが目的です。

想定する受講者

鑑定で古典占星術を使う方
「完全マスター予測占星術」を読まれて、さらに詳しく知りたいと感じている方

受講期間と方法

2023年9月20日〜2024年3月20日(個人セッション含む)
総時間:950分(約16時間)うちグループセッション90分、個人セッション60分
セッションはすべてオンライン(ZOOM)で行います。

アーカイブ

全アーカイブは公開日から2024年9月20日まで視聴できます。

受講定員

10名

費用

93,000円(税込)

申し込み方法

8月30日お申込スタート(定員になり次第終了します)
2023-08-31 定員に達したため、お申込みを終了しました。


1分で読める星と占星術 体験記

Vol.1 はじめて占星術の専門書を手に取りました

[2023-8-1]
それが1992年です。でも占星術とのファーストコンタクトは、中学3年(1982年)の頃に買った占星術専用計算機『ASTROSTAR』でした。「惑星の位置計算ができる」という理由で購入しましたが、使いこなすことはできませんでした。ただ、この計算機とは成人後に意外な形で再会することになります。子供の頃は占星術には懐疑的で「女子がやる遊び」という認識でした。でも目に見えない世界に対してはオープンでした。理由はふたつあります。まず、母や母方兄弟がそうした世界に近く、いわゆる霊媒体質と呼ばれるタイプだったことです。夏休みには母方の故郷に集まるのが恒例で、叔父達から不思議な体験談を聞くのは楽しみのひとつでした。
もうひとつは、小学二年生時分の出来事です。2月のある日、朝礼中に雲間から忽然と巨大な銀色の飛行体が現れ、再び雲間へと消えていく様子を級友達と共に目にしたことです。世の中には、得たいの知れないものがあると理解するには十分な体験でした。こうした背景が無ければ、理屈っぽい自分が占星術の扉を開けることもなかったと思います。

Vol.2 はじめて読んだ占星術専門書

[2023-8-2]
最初に購入した本は『占星学教本』(流智明 著)です。その時まで多少バカにしていた「12星座占い」とは異なる緻密さ、天球と惑星、12サインの考え方や、天体観測で使用するものとは異なる天文暦に惹かれました。本書を手にしたきっかけは、入社した大手企業を逃げ出す様に辞めたこと。しばらく何もせずに暇を持て余していた時、友人から「天文が好きなら面白いはず」と勧められ、すぐに手書きホロスコープに熱中し、間もなくStargazer(MS-DOS版)と出会いました。人と出会えば(迷惑も考えず)片っ端から生年月日を聞き出して、チャートを読むのが当たり前になり、Macintoshで動く占星術ソフトウエアIO Spriteとの出会いから、さらに深みへと分け入ることになります。
前述の友人から推薦された「占星学教本」は、ホロスコープ作成に必要な情報と占断に必要な解釈がシンプルにまとめられ、全体的にドライな書き味でした。天文学の入門書にどこか共通したものがあり、それもまた自分にとって最良の一冊となった理由だと思います。もちろん「自分が書くならこんな本にしたい」などと思うはずはなく、そもそも将来に占星術師を名乗ることなど想像もしていませんでした。

Vol.3 衝撃を受けた星

[2023-8-3]
自分にとっての土星と流れ星は天文の原体験で、はじめて「意識的に」星を見たのは6歳頃に訪れた観望会でした。反射望遠鏡のアイピースのなかで揺れる土星に、なぜそこまで魅了されたのでしょうか。とにかくそれが始まりでした。SNSで使うシンボルマークに土星記号を入れている理由です。
2度目の衝撃は、その数年後に時に見た大火球(大きく明るい流星)です。東の空に流れたそれは、美しい緑色に輝き、空の半分を照らして音も無く消えていきました。色の正体はマグネシウム。それを知ってもなお、無音でエメラルドグリーンに輝く姿は特別でした。
成人してからの衝撃は、2001年11月19日未明に起きました。
全天で、ほぼ1秒毎に流れ星が飛び交う圧倒的ファンタジー体験。流星群も普通は1時間も観ていれば慣れるものですが、この晩は違います。飛ぶ量がどんどん増えて四方八方に見えるので、そのうち空を見上げる必要もなくなってしまいました。あまりにも量が多かったため、後に流星雨や流星嵐と書かれることがあります。その正体は毎年11月後半に見られる「しし座流星群」。2001年は日本全域で1時間2,000〜3,000個の流れ星が出現したそうです。感覚的にはもっと多かった気がします。33年という周期性のある流星群ですから、条件が良ければまた見えるかも知れません。天文情報は外れることがありますが、興味のある方は定期的に情報をチェックしてください。この時もさして期待はしていませんでしたが、眺めたまま「命が果ててもいいや」と思った一夜でした。

Vol.4 古典占星術書を腹立ち紛れに床に叩きつける

[2023-8-4]
古典占星術と初めての出会いは『ホラリー占星術 再発見(Horary Astrology Rediscovered)』(オリビア・バークレイ著)、2000年頃でした。その後、何度も挫折を体験した思い出の本です。腹立ち紛れに床に叩きつけたことも何度かあります。約6年も米国にいたのに英文読解力は大して上達しませんでした。だから、ひとつめの問題は英語で書かれていること。独特なルールはさらなる問題でした。明らかに現代占星術とは異なる秩序がある。でも、それを理解するのにどこから手を付ければ良いのか見当がつかない。今思えば素直に人から教われば良かったのですが、当時は書籍で十分と考えていました。
結局、O.バークレイが創設した講座の門をリベンジのつもりで叩いたのが2018年。「こっちはプロだ」とも「腕試しをしてやろう」という気持ちもあったし、全過程を半年で終えた生徒もいると聞いて、1年で終えるつもりで始めました。フタを開けてみれば二度の中断を経たうえに、修了するまでたっぷり3年。原因は「なぜそうなる?」という疑問が沸くと完全消化まで先に進めない自分の悪癖です。『ホラリー占星術』(太玄社)の翻訳はそうした状況で、教師の意図を理解する目的で始めました。
虚心坦懐、現代占星術と混同さえしなければ、古典占星術の決めごとは明瞭です。日本人にとっては初めて学ぶ英文法の方がよほど難しく、素直な人なら1年で修了できると思います。でも、自分は素直でも優秀な生徒でもありませんでした。

Vol.5 天文と占星術

[2023-8-9]
初めて手にした天文関係の本は思い出せません。でも読んだ回数で言えば、間違いなくタイム ライフ ブックスの「宇宙」(日本語版)です。コート紙に印刷された美しいグラフィックと写真は、小学二年生の心を掴むには十分過ぎるほどのインパクトがありました。当時から理科は好きで、図工や美術に並ぶ得意科目です。でも授業で習う天文は小学校でも中学校でも、少しも面白くありません。たとえば冬の満月の高度が高く、夏は低い理由を説明しなさい、といった問題があります。こうしたことは実際に観測をし、疑問に感じた上で原理を理解すれば大変な驚きと感動があります。でも単に仕組みを習ったところで、そこに何があるというのでしょう。満月が冬に高かろうが、夏に低かろうが普通の生活に関係ないし、得もない。せいぜいテストで点数を取れる程度の話です。「活きていない」知識ほどつまらないものはないと思います。
天文と占星が400年前に占いと科学に分離した様に、自分も2つを別モノとして扱っていました。それがひとつになったのは最近です。きっかけはブルガリアの占星術師、グランジロッカーの様な風貌で、異様な熱量を放射するルーメン・コレブ先生でした。天文・地学の知識が占星術と体感的に結びつく瞬間、古代の人たちの発見や驚きをトレースすることがあります。そうした体験と具体例を教えてもらえたことで、それまで分離していた体験や感動を統合することができました。
何かを学ぶ際、感動を得た時に前に進むことができます。これは子供も大人も変わらないと思います。

Vol.6 占星術電卓との再開は12年後

[2023-8-16]
中学生当時、自分はポケットコンピューターでBASICプログラムを書く「ガジェット」系オタクでもありました。今は珍しくもありませんが、1980年代は完全な少数派です。冒頭記事で紹介した「ASTROSTAR」はそれと関係があります。太陽、金星、水星、火星のサインを計算する占星術用電卓で、たまたまデパートで見つけた掘り出し物でした。年月日を入力すると4天体の位置を1から12の数字で表示。数字は12サインと対応していました。当時では驚きの機能です。占星術は知りませんでしたが「得体の知れない小型計算機」が醸し出すドキドキ感がたまらなかったのです。
その12年後「ASTROSTAR」と再会を果たします。再会の地は再就職したゲーム会社。なんと自分の採用を決めた役員が、その変わった電卓を日本に輸入した張本人でした。彼は玩具会社在籍時、米国で売り出された「ASTROSTAR」のローカライズと販売を担当。取扱説明書の監修を門馬寛明氏に依頼。大ヒットには至らずも、そこそこの人気があったそうです。企画提案から関わった理由を尋ねると「僕、こういう不思議なものが大好きなんだよねぇ」と嬉しそうでした。
リンク先の写真、左の二つは米国版(オリジナル版)「ASTROSTAR」。一番右側が国内版の筐体デザインです。搭載されていたLSI(集積回路)の性能は玩具としてはよく出来ていたと思いますが、計算結果が表示されるまで1分程度かかりました。占星術は計算するものという事実を、最初に教えてくれた重要な製品です。(たぶんそれまでは、コックリさんみたいなものと考えていた)

Vol.7 大失敗と再出発

[2023-8-23]
この体験記も終わりに近づいてきました。最後のお話です。

ゲーム会社での毎日は楽しく、一生の仕事にするつもりでした。でも、ひょんなことから30歳を目前にして広告やIT系のデザイン制作会社を立ち上げ、後にマーケティングデータを扱う様になります。
そこで衝撃を受けました。感性と感覚の分野と考えていた制作物が、データ的に評価され得ることを知ったからです。はじめのうちは、感性や感覚を否定される様な恐怖感がありました。でも統計的にある程度の「良い悪い」を測ることができる驚きがそれを凌駕しました。これは2005年当時の話ですが、現在、同様の統計的手法が様々なサイトやサービスに応用されています。
この体験から占いへの応用を思いつきました。
個人の性格や行動の傾向を、占星術で測れることは十分に実感していました。でも大量のデータでは同じ事は起きず、そうした偏りは消えると予想しました。[*1] そして、統計的な偏りが無いのであれば、純粋に「ビッグデータ占い」を作れると考えたのです。ビジネステーマは「完全データ主義」。目指したのは純粋にデータから作る「占い」です。

プロトタイプに共感してくれた当時の仲間達が、システムとサービス構築を手伝ってくれました。ユーザーが増えると同時に、生年月日や行動データが集積される仕組みです。仲間のおかげで2010年にサービス開始[*2]。ところが問題が起きます。ユーザー数が5万人を越えたあたりから、当初の予想とは異なるデータが観測される様になったのです。本来なら、生年月日が集まるほど占星術的な属性は平均化するはずです。専門的には「大数の法則」に従い、惑星の分布は平均化し、偏りは消えなければいけません。でも起きたことは逆でした。なんとも奇妙な偏りが現れたのです。
登録生年月日が10万件を越えたところで、自身の仮説とビジネスモデルが破綻したことを認めました。完全な誤算。独立して初めての挫折。ビジネスとしては数年にわたり、かなりの人的、金銭的損失を生む大失敗プロジェクトとなってしまいました。
この大失敗は、一方で占星術に対する自分の考えを大きく変えました。非常に具体的な形で、占星術が単なる恣意的な分類方法ではなく、客観的指標となりえる「可能性」を示し、占星術を多角的に眺める機会を与えてくれたからです。


1. 現在とは異なり、当時はホラリー占星術を筆頭に、いわゆる「当たる占い」を否定していましたし、統計的にも意味がある結果にはならないと考えていました。
2. 同時に株式会社キャラプラ設立。最終的には商品販売サービスのサブシステムとして企業に売り込む計画でした。

自分の基点は(昔も今も)星を見ることにあります。理由は単に好きだからです。
ですから占星術をやり、星の写真を撮ったり、絵を描いたり、データを見るのは、自分にとっては星に向かって片思いの下手なラブレターを書いているのに似ています。
そのぶん無駄なことをたくさんやってきましたから、僅かながらの体験や知識であっても占星術を学ぼう、星について学ぼうとしている人の役に立つかも知れません。もし助けになるのなら、これほど嬉しいことはありません。


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