このブリーフィングドキュメントは、2024年5月17日(20:30-22:45)に開催されたTwitterスペース「占星術師のためのAI入門(改)」の議論をまとめたものです。このスペースでは、占星術師やAIに関心のある参加者が、AIの活用方法、課題、今後の可能性について活発な意見交換を行いました。
まとめ解説を音声で聞く(6:43)by NotebookLM
構成
前半90分:Katieさん、鵺(ぬえ)さん、雨森亜子さんの使い方
後半60分:プロンプト紹介〇長時間チャット愚者化防止呪文〇同じスタイルの画像を作る呪文〇AIの今がわかるYouTuberと情報サイト
メインテーマ
- AIの占星術における活用事例と可能性: 占星術の学習、研究、創作活動など、様々な側面でのAIの活用事例が共有されました。
- AIツールの特性と使い分け: ChatGPT, NotebookLM, Midjourneyなど、複数のAIツールの特徴や得意な分野、それぞれの課題が議論されました。
- AIの進化と今後の展望: AI技術の急速な進歩がもたらす変化や、占星術界隈におけるAIの今後のあり方について考察が深められました。
- 実際のユーザー体験談: 課金ユーザーと無料ユーザーそれぞれの具体的な活用方法や直面した課題などが語られました。
最重要アイデア・事実
- 占星術クラスタにおけるAI活用の進展: 事前のアンケート結果から、占星術に携わる人々の間でAI活用が進んでいることが明らかになりました。ぐらによると、「あの無料プランがもっと 3 もう 2 割とかでサブスクしてる人なんて 5% ぐらいだと思ってたんですよ自分最初の」「それがいい意味で裏切られて」「結構占星術界隈進んでんじゃないのっていう思いました。」とのことです。特に、複数にサブスク課金しているユーザーも存在し、AIへの関心の高さと積極的な活用姿勢が伺えます。一方で「関心の高い人がアンケートに回答しただけ、という可能性もある」との発言も。
- AIを「タスク支援ツール」として活用する事例: Katieさんの事例では、ChatGPTを業務効率化のためのツールとして主に活用していることが示されました。具体的には、業務マニュアルやフロー作成、メールや文章の文言作成、Excel関数の検索などに利用し、「情報の引き出しやまとめ役がメインです。」と述べています。特にExcel関数については、Google検索よりもチャットGPTに聞く方がコピー&ペーストでそのまま使える形で回答が得られるため、非常に便利だと感じているようです。これは、AIが単なる情報検索ツールを超え、具体的な作業効率化に貢献する段階に来ていることを示唆しています。
- NotebookLMを「パーソナルティーチャー」として活用する事例: Katieさんとぬえさんの両名が、NotebookLMを占星術の学習ツールとして活用している点が興味深い点です。特に、ぐらが作成した古典占星術の資料を読み込ませた「渋川先生」というチャットボットが、小さな疑問や基礎的な質問に答えてくれる「本当にパーソナルティーチャーみたいな感じ」として機能していることが強調されました。ぬえさんも、古典占星術の教科書を読み込ませて活用しており、その精度に驚きを示しています。これは、AIが特定の知識分野に特化した学習支援ツールとして有効であることを示しています。
- AIによる創作活動の加速と多角化: ぬえさんの事例は、AIが創作活動を大きく加速させ、多様なアウトプットを可能にしていることを示しています。チャットGPTによる文章や歴史、古代と現代の比較、Midjourneyによる画像生成、Sunoによる音楽生成、Adobe製品や動画編集ソフトのAI機能など、多岐にわたるツールを駆使しています。「ほぼ使わない日は無いです。」と語るように、AIが創作プロセスに不可欠な存在となっています。特に、静止画から動画を作成するRunway MLや、音声からの文字起こしと動画作成を自動で行うVrewなど、最新のAIツールを積極的に取り入れている様子が伺えます。これにより、短時間で質の高いコンテンツ制作が可能となり、制作量も増加しているとのことです。
- AIツールの得意・不得意と課題: 議論を通して、各AIツールの得意な分野と課題が浮き彫りになりました。
- ChatGPT: 幅広いタスクに対応でき、文章作成や情報収集に強い一方、長時間の会話で「バカになる」傾向や、時には誤った情報や余計な提案を提示する課題が指摘されました(Katieさん、亜子さん)。また、無料版には回数制限があるため、熱心なユーザーは課金が必要となります。
- NotebookLM: 特定のデータベースに基づいた回答精度が高く、特にマニュアルや資料の要約、質問応答に優れています(Katieさん、ぬえさん、亜子さん)。しかし、全体的な検索機能には改善の余地があり、また、ソースにない内容については回答が難しい場合があります(亜子さん)。
- Midjourney: 高品質な画像生成に強みがありますが、月額課金が高額であること、プロンプトによる指定の難しさ、特定のスタイル(例:漫画)の生成に癖があることなどが挙げられました(ぬえさん、ぐら)。
- Gemini: 最近特に賢さが向上しており、コーディングなどに活用される事例もあります(ぐら)。しかし、画像生成においては、プロンプトによっては意図しない写真が出力される傾向があるようです(ぐら)。
- AIと人間との相互作用における示唆: AIとの対話を通じて、人間とのコミュニケーションにも通じる示唆が得られています。
- 「バカになる」AIとの対話: 長時間のチャットによるAIの性能低下(「バカになる」)は、人間関係における「煮詰まる」状態に類似しているという考察は興味深いです。チャットをリセットしたり、要約と反論を求めるプロンプトを使用したりすることで、AIとの対話を効果的に継続できることが示唆されました。
- AIの「水星っぽさ」: 亜子さんはChatGPTの特性を占星術の「水星」に例え、「特にチャット GPT」「チャッピーはなかなかあれですよね。あのジェミニの方はあんま無駄なことを言わんのですよ。」「チャッピーは質問 1 個した時にまだ質問ってかこうあの追加情報でもう少し深りして欲しいなって思ってこっちが入れようとしてもなんか私は今のこれをまとめてもう少しこういう点でフィードバックさせていただきますけどどうですかみたいなことをグイグイ来るじゃないですか。」と表現しています。これは、AIが論理的思考や情報伝達に優れる一方で、余計な情報や提案を付加してくる傾向を的確に捉えた表現と言えるでしょう。
- AIとの付き合い方の変化: AIとの対話に慣れすぎると、人間とのコミュニケーションにも影響が出る可能性が指摘されました。一方で、AIの粘り強さや淡々と作業をこなす姿勢から学ぶ点もあるという意見も出ました。
- AI技術の急速な進化と課金の難しさ: AI技術は日々進化しており、わずか数ヶ月でツールの性能や得意な分野が変化することが語られました。これにより、どのツールに課金するか、年間契約をするか月額課金で様子を見るかなど、ユーザーは常に判断を迫られています。「年間契約は微妙」「1 回月別でやって調子がいいのをなんか選んでくっていう方がしばらくはなんかいいかなっていう感じはします。」こうした発言はこの急速な変化に対応するための賢明な課金戦略が示唆されています。
- 情報共有の重要性と今後の展望: AI活用に関する情報は、実際に使用しているユーザーの体験談が最も参考になるという点が強調されました。また、今後の情報共有の場として、スペースよりも画面共有などが可能なZoomなどを活用した「情報共有をする場」の開催提案があった。
AIの情報系YouTube&サイト
ツール使い方
youtube.com/@mikimikiweb
最新情報討論系
/ youtube.com@シンギュラリティサロン
https://www.youtube.com/@thewave_tv
AI界隈で話題のサイト
AI2027 ai-2027.com
Situational Awareness(状況認識) situational-awareness.ai
まとめ
このスペースは、占星術師たちがAIをどのように活用し、どのような課題に直面し、そしてどのような可能性を見出しているのかを具体的に知ることができる有益な機会でした。生成AIはすでに占星術の学習、研究、創作活動など様々な側面に浸透中で、その活用方法は今後さらに多様化していくと考えられます。一方で、ツールの特性理解や情報の真偽確認など、乗り越えるべき課題もあります。こうした情報交換の場を今後も企画する予定です。(ぐら)